ミッドナイト明治通り
- loka vida
- 1月25日
- 読了時間: 3分
更新日:7 日前
2026.1.28 3rd Digital Single Release

ミッドナイト明治通り Wayny Wang, Che Wayny Comandante
NOROSHI Wayny Vibes, Mr.Wayny
第3弾シングル「ミッドナイト明治通り」を1月28日より配信開始。
ストリート発のミステリアスな覆面クルーが、匿名性の裏側で提示する “ポジティブ・ヴァイブス”。
「ミッドナイト明治通り」
WAYNYSの新曲「ミッドナイト明治通り」は、きらびやかな夜の裏側に沈殿する時間と記憶を、静かにグラスへ注ぎ込んだような楽曲だ。パーティの高揚感とは異なる、酔いが回って言葉が少しだけ正直になる深夜のムードの中で、この曲は鳴り始める。
冒頭を担うWayny Wangのヴァースは、「深夜の明治通り」を舞台に、ムーディーなサウンドと仲間たちのストーリーが溶け合う情景描写から幕を開ける。〈一杯 二杯 三杯 何杯?/乾杯 終わんない〉というラインは、終わらせたくない夜の象徴だ。過去を振り返るにつれ、胸の奥にしまい込んでいた感情が、少しずつ言葉になっていく。
ラップゲームやハスリング、涙で染めてきた作品――それらを抱えたまま「今夜はお祝いだ」と言い切る姿勢に、Wayny Wangらしいリアリズムと優しさがにじむ。締めの〈One nightぐらいじゃ足んない?〉の余韻は、この夜を生きてきたすべてを肯定しているようだ。
続くChe Wayny Comandanteのフックは、より内省的でシネマティックな視点から夜を切り取る。〈燻らす煙が宙を舞う/ショットグラスと交差〉が時間の沈みを強調し、〈Deeper and Deeper/ついついもう一杯〉が記憶の深層へと引き込んでいく。メロディアスな歌からキレのあるフロウへの展開は、彼のラッパーとしての真骨頂を見せている。
247で通った店、変わらないメンバー、夜明け前のタクシー――連なる断片は個人的な記憶でありながらも、普遍的な東京の夜を感じさせる。そして、仲間と生き抜いてきた競争と混沌。それでも〈今夜もグラス傾ける〉ところまで辿り着いているのだ。
「ミッドナイト明治通り」は、すべてを飲み干してもなお、〈ついついもう一杯〉となる、WAYNYSの夜の記録であり、明日へ向かうための静かな通過儀礼となっている。
「NOROSHI」
Wayny Vibesの〈狼煙をあげよう/仲間達とあげよう〉で幕を開ける「NOROSHI」は、WAYNYSが “個” の夜を越え、“仲間” と再びつながるために鳴らした合図のような楽曲だ。この曲で掲げられるのは、攻撃のための火ではなく、存在を知らせ、意思を共有するための火──狼煙である。
場所や状況が違っても、同じ時間を生きる仲間たちへ向けて、煙を空へ放つ。〈返事はいらない煙でいい/天まで届け皆の願い〉。その煙は言葉の代わりであり、返事は要らないという距離感に、むしろWAYNYSらしい優しさがにじんでいる。声高に主張せずとも、上を向いていれば希望は残るのだ。そして、〈希望も夢もまだ捨てちゃないよ〉〈傷つけあいより助け合いよ〉に表れているのは、WAYNYSが一貫して持ち続けてきた “コミュニティとしてのヒップホップ” という思想である。
後半で、Mr.Waynyは〈別にくすぶってんじゃねえ/さっきからうずうずしてんだぜ〉と歌い、停滞や諦念を否定する。燃やす準備ができた状態で、BadなMindさえも火にくべ、煙として吐き出す。そのプロセス自体が、この曲のメッセージとなっている。ヴァースでは冷酷な都市の現実を直視しながらも、繰り返し歌われるフックには確かな希望が残されている。
「NOROSHI」は夜の孤独を否定しない。その孤独は煙となって線でつながり、狼煙として空へと放たれる。それはWAYNYSが今もなお「ここにいる」と知らせる、静かで力強いサインでもある。